Rare Cacao Story 2022

Rare Cacao

  • 北海道でホワイトカカオを使用できるのはショコラティエ マサールだけ。
    ホワイトカカオ 74%
    メキシコ古代品種を蘇らせ、多品種交雑なしに100%白豆を実現した希少なホワイトカカオ。苦味や渋味が少なく、カカオ本来の風味や香りが感じられる旨味やコクのあるクリーミーでマイルドな味わいが特徴のボンボンショコラ。
  • 今後絶版になるかもしれない希少なカカオ。
    シングー 70%
    ブラジルの豊かな大自然と肥沃な土壌で育ったカカオで作られた野生的で力強い風味の中に、ハチミツのような甘い香りや草原を思わせる爽やかなアロマを感じさせるボンボンショコラ。
  • サスティナブルな方法で作られた希少なチョコレート。
    エヴォカオ 72%
    カカオ豆とカカオの果肉のみを原料として使用した100%カカオ由来のチョコレートで仕上げた、革命的なフレッシュ感のある果実味と、フルーティーな香りと酸味が特徴のボンボンショコラ。
  • コロンビア北部に住むアルアコ族により作られた希少なカカオ。
    アルアコ 72%
    コロンビア北部のアルアコ族のもとで育った特別なカカオで作られた、マスカットやレモングラス等ハーブを思わせる香りや、芳醇な赤ワインのように果実感が溢れる成熟した香りが際立つ風味豊かなボンボンショコラ。

~“レアカカオ”という
コンセプトとの出会い~

「来年のバレンタインはどんな限定ボンボンショコラでお客様に感動をご提供しよう?」
社内でそんな会話が交わされはじめるのは毎年初夏のこと。

チョコレート業界の様々なトレンド、新しい製菓技術やチョコレート原料、日々お客様からいただくご意見、様々な情報に耳を傾けながら「あーでもない、こーでもない」とアイデアが練り上げられていきます。

ホワイトカカオとの
衝撃の出会い

そんな中、残暑のころでしたでしょうか。いつもお世話になっている株式会社明治さんから「是非マサールにご紹介したいチョコレートがある。」ということでご提案をいただいたのが「メキシコホワイトカカオ」で作ったチョコレート、その名も~ホワイトカカオ~でした。


画像左:ホワイトカカオ 右側:一般的なカカオ

カカオの中でも0.1%しか取れないと言われているクリオロ種の中でもメキシコ政府が古代種として認めた品種を明治さんが、メキシコ政府公認のもと、生産者とともに徹底管理下で栽培されるというホワイトカカオ。
ありがたいことに、明治さんの中で、業務用にご紹介できる物量は極めて限られているという中、北海道ではマサールだけにご紹介いただけるということ。

早速試食させていただくと、甘み、苦み、酸味それぞれがバランスよく感じられ、高貴で厳粛なアロマさえまとうチョコレートです。
その瞬間、「これだ!今年はこのホワイトカカオを中心に、世界中からレアカカオを厳選したボンボンショコラのセットをお客様にご提供しよう!」そんなコンセプトが降ってきたのでした。

ここから走り始めた
【レアカカオ】
プロジェクト

まずはありとあらゆるメーカーさんに、とにかく希少性が高く、かつ美味しいチョコレートをご紹介いただけないかお願いをするところから始まりました。
そうして世界中から届いた、希少価値が高く、味、香りにも特徴のあるチョコレート24種類が私たちのもとに届きました。

マサールがボンボンショコラを開発するうえで最初の難題はいつも使用しているコーティング用チョコレートとの相性。
どんなに中身のガナッシュ用原料チョコレートの味が良くてもいつも使用しているコーティング用のチョコレートと相性が合わなかった場合は、コーティングチョコレートの味に全て持っていかれてしまいます。

コーティング前のタブレットやコイン状の状態で食べるのと、ガナッシュにしてコーティングして食べるのとでは大きく印象が変わってしまうのです。

今回出会った希少なチョコレートたちは繊細なものが多く、実はコーティングせずショコラクリュ(生チョコレート)のような開発も視野に入れていたほどです。

職人としての意地

それでもやはりこのレアカカオでボンボンショコラを作りたい。職人魂に火が付きました。
さらに、通常であれば、何度も何度も試作や試食をしてみたいところではありますが、希少な故サンプルとしていただくチョコレートには限りがありました。価格も高く無駄使いはできないので、味や香りの特徴を事細かく記憶し、自分の舌の記憶を頼りにボンボンショコラの構図をイメージしていくのですが 24種類の中からさらに4種類に絞り込むのは本当に大変でした

2ヵ月に及ぶ研究、試作を通じてコーティングとの相性も良く、個性が際立つチョコレートを選抜したのです。
まず選んだのは“レアカカオ”というコンセプト誕生のきっかけとなった~ホワイトカカオ~。
メキシコ古代品種を現代技術で蘇らせ、100%白豆(通常は紫や薄紫色)を実現したカカオで、この希少なカカオ豆を株式会社明治さん独自の「リッチアロマ製法」によってポテンシャルを最大限に引き出した、<希少かつ唯一無二のチョコレート>です。
この苦みや渋みも少なく、カカオ本来の風味や香りを感じられる希少な~ホワイトカカオ~は、先ほど冒頭でも申したように北海道ではショコラティエ マサールでしか扱えないチョコレートです。
こちらは是非味わっていただきたいチョコレートですので迷わず新作の1つに決定しました。

続いて、カカオを丸ごと味わうことができる「エヴォカオ」。こちらはカカオ豆カカオの果肉のみを原料として使用した100%カカオ由来のチョコレートで仕上げたもの。
えぐみを感じつつもこの特徴的な味わいやアロマに惹かれこちらも採用することにしました。

この時点で2種類を選び、さらに残り22種類から10種類まで絞り込み、上記2つと並んでもバランスの良いもの、コーティングチョコレーとに負けない個性の強いものを選び、社内で試食、議論を重ねました。
そして選び抜かれたのがマスカットやレモングラスなどハーブを思わせる香り、芳醇な赤ワインのような力強さや果実感溢れる香りを感じる「アルアコ」と、野性的で力強い風味を持ちながらも、ハチミツのような甘い香りや草原を思わせる爽やかなアロマを感じる「シングー」でした。

選び抜かれた4種類

「ホワイトカカオ」「エヴォカオ」「アルアコ」「シングー」
この選ばれた4種類の“レアカカオ”からバレンタインのボンボンショコラの開発が始まりました

シングルビーンズ(単一のカカオ品種)でボンボンショコラを創るにあたって、配合の組み立ては至ってシンプル。北海道産の生クリーム、バター、転化糖、そしてチョコレート、この4種類で構成しています。
幸運なことに今回配合に使った、北海道産生クリーム、バター、転化糖は選ばれた4種類それぞれの特徴とコーティングの相性が良く。単体ではえぐみを感じた「エヴォカオ」はえぐみが抑えられ、バランスが取れたボンボンショコラとなりました。
この「エヴォカオ」というチョコレートは元々温度に敏感で、ある温度帯を超えると状態や風味が悪くなるとメーカーさんから言われていました。
この質の悪くなる温度帯はガナッシュ製造の工程には欠かすことのできない乳化工程(チョコレート、生クリーム、バター、転化糖を溶かし分離しないように混ぜ合わすこと)の温度帯とかなり近いので、細心の注意を払いながら試作を進めました。

水分という難題

構成は単純とはいえ4つとも同じ状態のガナッシュを作りたいので、水分の調整に時間を要しました。
チョコレートに含まれるカカオ分(カカオマスとカカオバター)の含有の違いでカカオ分のパーセンテージが一緒でも合わせる水分量は変えて作らなければなりません。
例えば「エヴォカオ」と「アルアコ」はカカオ72%表記でパーセンテージは同じですが、「エヴォカオ」は水分を多く含ませたガナッシュを作っています。

また、(カカオの配合は)冷凍対応可能な水分量と、解凍後にガナッシュの状態に変化が生じにくい水分量も見極めなければなりません。
実際に合わせたものを触りながら乳化の状態やガナッシュのコンディショニングを確かめ、細かい配合を決めていきました。

最高の結晶

このようにして4種類の選び抜かれたチョコレート1つ1つの特徴を見極め、それぞれの個性を100%活かしたボンボンショコラが出来上がりました。

この希少で個性の強い2022年のショコラティエ マサールの新作「レアカカオ」をご堪能いただけたらそれに勝る喜びはありません。


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